こんにちは!たろうです。
今回は試合での対応力と手数の多さが試合の明暗を分けることについてお話ししたいと思います。
対応力
試合に臨む前には必ず相手をスカウティングして準備をしますよね。
でも、いざ試合当日になると想定していたものと違うときってありませんか?
私もよく経験したことがあります。
相手のディフェンスが4ー3かと思ったら5−2だったとか、プロ体型かと思ったらショットガンだったりと相手もこちらを意識して戦術を組み立ててくるのでよくある話だと思います。
しかし、根本的にどんなディフェンスが来ても「これは自分たちのチームにとって根幹となるベースプレイであり、絶対に出せる」というものもオフェンスでは持っておくべき。
逆にディフェンスでは「これなら絶対に止められる」というものがあるとベターです。
ただ、いくら自信のあるプレイを持っていても止められてしまうことはあるし、ディフェンスであれば出されてしまうときだってあります。
簡単に勝てないのがフットボールの面白さでもありますよね。
鍛え上げられた肉体に多彩なテクニック、練り込まれた戦術、練習を積み重ねたプレイの完成度。
様々な準備を行うのがフットボールです。
これらのレベルが高ければ高いほど勝利に近いことは確かです。
しかし、相手のレベルが自分たちの実力を上回っていたとしても勝利するために実力格差を埋めるものがあります。
そして実力が拮抗している相手であればこれが勝敗の明暗を分ける一つである言っても過言ではありません。
それが「対応力」です。
フットボールの世界では「アジャスト」とも言います。
相手が想定と違うことをしてきたときなどはアジャストすることが大事。
オフェンスでは目の前にいる相手の弱点となるものを見つけだしそこを攻める。
ディフェンスでは相手の狙ってくる場所を守る。
個々の場合でもそうです。
相手がビデオで見るのと実際に対峙するのとでは全く違いますもんね。
実際に対峙してみてからアジャストすることは多々あることです。
アジャストの大切さはフットボールを経験している人であれば必ず味わったことがあるのではないでしょうか?
勝てないと思わせるほどの相手を目の前にしたときに諦めない心も大事ですが、アジャストで勝利へ近づけられることだってあります。
ただここで一つ重要なことがあるんです。
アジャストするのはわかっていてもどうすれば良いか?
そう思った方は多分これが足りないんだと思います。
ズバリ「手数の多さ」です。
手数の多さ
例えば相手の弱点がわかったとしてもそこを攻める術を持っていなければ勝てないですよね?
そういう意味で手数の多さはとても重要なんです。
一つあれば良いのではないか?
いえいえ、その一つを相手がアジャストしてきたらもう打つ術なしになってしまいますよ^^;
個々の話で言えば、テクニックはどれだけあっても良いと思います。
言い方を変えるとたくさんの引き出しを持つということです。
どんな相手であろうとも、どんな技術で来られようとも引き出しが多ければアジャストは可能。
相手より優位に立って試合を進めることができるんです。
あくまで一例ですが私の経験です。
コーナーバックへ転向していたある日壁にぶち当たりました。
バンプで絶対に勝てない相手がいたんです。
チームメイトに大滝裕史という立命館大学出身のレシーバーがいました。
女性ファンの多い顔も性格もナイスガイな男です笑
何が勝てなかったかと言うと、身長190cmという高さに勝てなかったんです。
バンプしてもスイムで交わされて・・・はい終了・・・。
しかもスイムのときに長い手で上から背中を捕まれてスイムされるので逃げられないんですよ。
これにはどうしようもないなって思っていたのですが、ここで諦めたら自分より背の高いレシーバーにバンプで勝てないままになってしまいます。
そこでどうやったら勝てるか考えたんですよね。
出した答えが「バンプをしない」です笑
バンプのセットはするのですが、手を出さずに始まった瞬間に少し後ろに下がり間合いを取ります。
そうすると相手もスイムができないのでとりあえず瞬殺されることは無くなりますよね。
でも何もしないと好きに走られてしまうので、相手が左右どちらかにリリースしたタイミングで打つんです。
そうするとタイミングを遅らせることができるのでバンプとしての仕事は果たせます。
こんな風に相手によってアジャストできる引き出しを増やすことが選手としてのレベルを引き上げ、結果としてチームの勝利を導くことができます。
しかし!
これはあくまで個々での話です。
問題はチームとしてのアジャスト。
これは戦術であるプレイの数を多く持つことしかできません。
どんな弱点を見つけてもそこを攻めることができる戦術の量です。
私がライズボウルに出場した2007年1月3日。
相手は法政大学。
今やXリーグで活躍するライズ伊倉選手、オービック菅原選手、アサヒビール戸倉選手、IBM栗原選手などがいた時代です。
社会人優位と言われた前評判とは裏腹に、結果は31対30という拮抗した試合。
体格、パワー、スピードどれを取っても社会人の方が優位でした。
しかし、なぜこのような結果が生まれたのか。
それは当時の法政大学の選手たちの気持ちの強さと圧倒的な準備の賜物でした。
法政大学のオフェンスが我々オンワードオークスに用意した戦術は100プレー以上。
オフェンスはほぼ全てダミーコールによるオーディブル。
敵ながら天晴れなものでした。
ダミーコールによって相手のディフェンスを読み取り、それに優位なオフェンスプレイをオーディブルで選択して攻める。
まさにアジャストのすごさを痛感した試合でした。
最後は我々社会人チームが大人気ないゴリゴリのランプレーで時間を消化し辛勝。
本当にギリギリの試合でした。
そして当時法政大学の主将であった伊倉選手はその年の春に大学を卒業し我々のチームに入部しました。
最初の練習での挨拶がとてもカッコ良かったのを覚えています。
「足りなかった1点を探しにきました」
今も現役を続けている伊倉選手に試合会場で聞いてみてください。
「足りなかった1点は見つかりましたか?」
って笑
話は少しそれてしまいましたが、対応力(アジャスト)と手数の多さの重要性はわかっていただけましたでしょうか?
いろんなビデオを見て研究するも良し。
コーチや先輩に聞くのも良し。
私に質問するも良しです笑
やるからには勝つ!
この心意気で明日からも頑張りましょう!!
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